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報告書


・こむの事業所は地域の福祉コミニュニティの発展を目指して発足しました。
〜出発は福祉文化研究会の報告書から〜

福祉文化研究会報告書「福祉コミュニティの実現を目指して」 (「こむの事業所」構想案)

 今、私たちの社会には、さまざまな理由で仕事に就くことができない人や、仕事を続けることができなくなったために暮らしが成り立たない人がたくさんいます。
これらの人々の多くは、そのような事態に至っても家族や地域社会に支えられて暮らし続けることができていますが、支えがない場合には、住み慣れた地域での暮らしができなくなり、施設での暮らしをせざるを得なくなります。
また場合によっては路上の暮らしを余儀なくされ、健康で文化的な生活を営むことができないばかりか、命の危機を招くようなことも起きています。
このような事態は、人々が支え合って始めて成り立っている私たちの社会に訪れた危機ではないかと思うと同時に、このような問題を解決して、持続可能な社会にしていかなければならないと考えます。
 公益財団法人プラザ・コムは、福祉コミュニティプラザを造り、ボランティア活動拠点のぷらざこむ1、障害のある人たちの活動の場ぷらざこむ2を整備して、法人の設立の理念の実現に取り組んできました。
そして、設立理念の一つである福祉コミュニティを実現するために、さらに一歩進んだ取り組みをする必要があると考え、福祉文化研究会を財団理事長の諮問機関として設け、課題を研究することにしました。
福祉文化研究会では、必要とするすべての人が仕事と暮らしの場を得ることができ、それぞれがいきいきと働き暮らすことができる社会こそが福祉コミュニティであるとの観点に立って、実現に必要な機能と実施の形について研究を重ねて、報告書にまとめました。

 「地域社会を構成するすべての人が困難を抱えた人に手をさしのべ、すべての人々が相互に支え合いながらいきいきと暮らすことがあたりまえのこととして根付いている。」ことを「福祉文化」という言葉で表したいと思います。そして地域社会に福祉文化を根付かせていく拠点として宝塚福祉文化センターを考え、実現したいと思います。

1 目標

 

  「サービス・仕事を創造し福祉文化を根付かせる」
   1 一般就労が困難な人々に仕事を提供するために積極的に起業し、最低賃金を確保します。
   2 緊急一時的な住まいの提供を通して、自立生活への再起をサポートします。
   3 さまざまな工芸・芸術活動を通して、福祉文化の広がりを目指します。

2 福祉コミュニティを築くための基盤づくり


 福祉コミュニティは、社会的排除をなくし、誰もが存在を社会的に認め合う社会的包摂(ソーシャル・インクルージョン)を実現することにより達成できると考えられるようになりました。
 しかし、公的なサービスだけでは限界があり、公的制度のとどかないところを民間のボランタリーな取り組みにより事業を起こして支えることが今日の課題になっています。

1 介護保険や障害者自立支援法などによる公的なサービスの「上乗せ、横だし、下支え」といわれる生活ニーズに合わせたオプションの開発、実施であり、加えて様々な社会的ニーズに対応するサービスの開発、実施です。

2 一般就労が困難な人たちへの就労の場の確保と拡大で、その場として一つ目のサービスの仕事を提供することが、これらの人たちの社会的存在を認める仕組みとしても作用することにつながります。さらに仕事に加えて暮らしの場、とりあえずの住まいの確保も必要です。

3 障害のある人を始め、支援を受けて暮らす人たちの活動が社会的に認められて、発展する場づくりが必要です。

 これらの活動が一体的に営まれて発展することを福祉文化の発展と定義し、次々と増殖していくための基盤としてソーシャルファーム(社会的事業所)を創り、福祉コミュニティを築きたいと思います。

ソーシャルファーム(社会的事業所)の目指すところ 図
〜住み慣れたまちで楽しく暮らし続けるために〜
”サービス・仕事を創造し福祉文化を根付かせる”

3 名称

  (仮称)宝塚福祉文化センター「こむの事業所」(こむず愛)
   COMSi.( A Community Organization Managed for Social inclusion )

  宝塚に基盤を置き、福祉文化を具体的な形で表し広めるための拠点としてふさわしい名称としました。
「こむの事業所」(こむず愛)という表現については、ぷらざこむの仲間達ということとその事業所(inc.)、福祉文化の発信地(information center)
という意味を持たせています。また小文字の”i”はインクルージョンの頭文字であるとともにその根幹には小さな「愛」がをこめたいという思いも表現しています。
  また英語表記は、ソーシャルインクルージョン実現のためのコミュニティ組織(A Community Organization Managed for Social inclusion )という意味を表す表記の頭文字をとって「COMSi」としています。

4 設置場所

 (財)プラザ・コムが所有管理する福祉コミュニティプラザ内の将来施設用地に整備します。

5 事業主体

 (財)プラザ・コムを母胎としてNPO法人こむの事業所設立し、施設整備と運営にあたります。

 NPO法人とする理由については、事業の多くは福祉分野の事業ですが、目的を達成するためには福祉法人としての制約を受けずにより弾力的運営が必要と考えられるので、主体の法人はNPO法人とするものです。
  また、個別の事業によって相応しい運営を行うために必要に応じてそれぞれに適切な運営組織を設けます。

6 事業、施設の概要

(1) 社会的事業所(ソーシャルファーム)
(2) 地域生活自立支援中間宿泊舎運営事業
(3) 障害者のアーツアンドクラフツ活動センター

事業、施設の概要へ  

7 ソーシャルファーム機能をより高めるために


・ 現在障害者就労支援センター「あとむ」は、民間企業への就労支援あるいは援護就労の支援センターとして、大きな役割を果たし、成果を挙げています。
・ ソーシャルファームの趣旨を実現するためには、福祉的就労に取り組む福祉事業所との連携が必要であるとともに、とりわけ「あとむ」との連携が必要です。
・ ソーシャルファームの建物に誘致することも念頭に置いて連携を進めます。
・ 暮らしのサポートで最も求められていることの一つに、成年後見制度あるいは権利擁護を事業として具体的に行う事務所があります。
・ 現在社団法人手をつなぐ育成会が母体となって事業主体となるNPO法人の設立が検討されており、その事務所との連携も不可欠であることから、その誘致も検討します。

8 防災拠点の心臓部として


・ 福祉コミュニティプラザ全体が災害時の防災拠点として、特に災害救助のボランティア活動の拠点としての役割を担っています。
・ ライフラインについては、ぷらざこむ1に雨水貯留タンク、フレミラ宝塚に自家発電装置が設置されていますが、大勢の人が暮らすためのエネルギー源、飲料水の確保については新たな設備が必要です。
・ 要援護者のライフラインを確保する観点から、太陽光発電、蓄電設備を備えるとともに、飲料水濾過プラントを設けます。

9 施設整備のフレーム

 
  ・ 事業運営はNPO法人を設立して行います。
・ 施設整備については、本研究会の研究成果を踏まえた形で(財)プラザコムにおいて事業決定をいただき、設計、建設工事を行い、備品等も含めて完成したものを運営するNPO法人に貸与し運営します。
・ 整備内容については、本研究会との調整により決めていきます。
・ 建設資金については、(財)プラザ・コムで準備いただきます。
・ これらの建設及び準備資金のフレームについては公益法人ルールに即するなど必要に応じて適切な変更を行います。
・ 運営経費は、事業収入及び障害者支援施策等による公的負担及び寄付金によります。

10 事業スケジュール

 
(1)研究期間(2008年度)

・ 10月に中間まとめを報告し、施設計画に着手します。
・ NPO法人設立の準備をします。
・ 3月に答申します。

(1) NPO設立(2009年度)

・ NPOを設立し、障害者自立支援事業を準備します。
・ 開発、地区計画改正に取り組みます。

(2) 建設(2010年度)

・ 施設を建設します。
・ 障害者自立支援事業を行います。

(3) 開設(2011年4月)


特例認定特定非営利活動法人こむの事業所

〒665-0867
兵庫県宝塚市売布東の町12-9

TEL 0797-87-8330

FAX 0797-26-7834

[E-mail] comsi.mefu@gmail.com